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泉区障害福祉自立支援協議会 シンポジウム 
自己決定への支援を考える
利用者を一人ぽっちにしないために

 川向雅弘氏による講演  
 川向雅弘氏による講演  
 泉区障がい福祉自立支援協議会は、「自己決定への支援を考える~利用者をひとりぽっちにしないために」をテーマとしたシンポジウムを2月28日(土)、泉区文化センター「テアトルホンテ」で泉区役所との共催で開催した。

 第1部は聖隷クリストファー大学社会福祉学部准教授の川向雅弘氏による講演「自己決定の問題と課題-なぜ自己決定が煽られるのか」。

 利用者(知的・発達障害者など)の「自己決定」が支援のテーマであり続け、強調される背景として、社会制度、環境の変化がある。望まれる利用者の「自己決定」とは「共に決定」で、判断能力不十分な人のために、どのような意思決定メカニズムを構築していくか、「本人主体」の支援は可能か、をイギリスの発展の経緯を語る。

 「その人らしい生き方」を模索することを、イギリスでは「ベスト・インタレスト」と言い、「本人の年齢や外見、状態、ふるまいによってベスト・インタレストの判断が左右されてはならない。」 「ベスト・インタレストと特定に関係すると合理的に考えられる事情については、全てを考慮したうえで判断しなければならない」など7つのチェックリストが示されている。また、同国の成年後見制度には私、公のみでなく【共】の領域があり、支援社会としての成熟度が評価されている。

 日本での我々として「ベスト・インタレスト」に向け、いかに対応すべきか。障がい者関連の法規にサービス提供の在り方が定められている。これらをもとに、まず取り組めることといえば、①利用者の「暮らし」をどこまで知っているか、②利用者の何を、何のために理解しようとしているか、③支援者としての限界、制度サービスの限界は何か、④どのような仕組みがあったらよいか、などが考えられる。
   パネルディスカッションの場面
   パネルディスカッションの場面


 第2部では、泉区生活支援センター芽生えの三橋さんの司会で、横浜ひなたやま支援学校斎藤容子氏、活動ホームいずみ会館の高野誠一氏、よこはまリバーサイド泉Ⅱ光梨の林里美氏、行政書士西淵事務所の西淵陽子氏、泉区役所高齢・障害課の岩田充宏氏の5名のパネリストから、それぞれの施設、立場からその状況が報告された。

 就学中における成長のための学びの計画。自分のことは自分で決めた事例。支援において大切と感じたことは、確認・気付き・連携・迅速な対応だ。当事者本人の自己決定を支援する視点が重要で、結論を出すのは本人、などが報告されていた。これに対し、川向氏は、学校での教育と卒業後の連携が課題だ。「ベスト・インタレスト」に基づき、探し、一人ぽっちにさせない、みんなが一緒にかかわっていく、広いサポートのネットワークづくりが大切だ、とコメントしていた。

 一傍聴者として感じたこと。すべての国民に法的に認められている自己決定権は、障がいをもつ人にも認められて当然。障がい者の自己決定を権利として保障するだけでなく、より積極的に自己決定を可能にするための環境づくりが大切だろう。適切な支援があれば多くの知的障がい者が 自己決定できると聞く。自己決定することは障がい者の成長を助け、社会参加を促し、最終的にはQOL(生活の質)の向上をもたらすのでは。